暦の上では、夏の最後を飾る大いに暑い「大暑」の節気となりました。実際、畑作業は日中出来ないほどの暑さです。
明け方は4時半ごろに蜩の声が涼やかに鳴り響きます。そして、夕方にも。でも、なぜか夕方の方は寂し気な鳴き声に聞こえるのが不思議です。
ちなみにセミの鳴き声をYouTubeでお聞きください。
<ヒグラシ>
<ツクツクボウシ>も参考にどうぞ。ツクツクボウシと鳴いた後に「モウイイヨ」と言っているように聞こえるのですが?皆さんはいかがでしょうか?
<ヒグラシ>の写真です。

<ツクツクボウシ>の写真です。

ついでに「ヒグラシ」の俳句をご紹介します。
ひぐらしに十七年の月日かな | 久保田万太郎 |
久保田万太郎氏は、自分自身の句を「日常生活にもとづいた抒情的な即興詩」と語っているそうです。
蝉(成虫の期間)の寿命は短いですね。昔の1週間から1か月が定説に?
さて、上句の「十七年」は、十七年周期で大発生する「周期ゼミ」をいうのでしょうか。その数字から「素数ゼミ」とも呼ばれるようです。
ともあれ、次節「立秋」への橋渡しの「声」のようです。そう、季節を私たちに気づかせてくれているのです。
古今和歌集~ 詠み人知らず
「ひぐらしの 鳴く山里の 夕ぐれは 風よりほかに 訪ふ人もなし」
播磨自然高原内の北のはては、こんな感じ?
少し話題をかえて、「ビール」の句を。
「 遠近(おちこち)の 灯りそめたる ビールかな 」
季語は「ビール」(夏)
夏の暑いこの時間帯に飲むビールは最高でしょうね。
この24日は芥川龍之介の「河童忌」。意外や、同氏は既述の「久保田万太郎」とは交流があったようです。同氏は夏目漱石の弟子で「鼻」・「羅生門」など結構「古典」を題材にした機知にとんだ作品が多かったような?映画でもみた「羅生門」なんか醜悪な人間をみせる現実の姿を理知の眼で鋭く観察してましたよね。
この時節、8月、すなわち葉月、生い茂る月ではなく、葉が散り始める月ということらしいです。「葉落月」。ほかには稲が良く育ちふくらむ月から「張る月」から「葉月」とも。
暑さ絶頂期からどこかに秋の訪れを感じさせてくれる8月へと。
皆様、お体には気を付けてお過ごしください。