小満(8節気5/20~6/4)

 草木が生い茂る生命力のある「小満」の節気となりました。

 一説には、秋蒔いた麦が穂を垂れる頃、これを見た庶民「これがあれば何とか食べていける」と「さな足感」をえたことから・・・「小満」と。

 明日食えるか食えないかの瀬戸際の中で生きてきた大方の農家の方にとっては死活問題だったのでしょう。

 つつましやかな考え方の先人から教えていただいていることは、現代の人々も日々の小さな出来事に「小満」であればそれで十分、それ以上の満足を求めすぎるなというところでしょうか?

 上郡町内の近郊農家の田畑も小麦色に色づく頃です。古人にならって車を止めてしばし麦の穂を眺めることもいいかもしれませんね。

 さて5月20日は「森林の日」森林は木が本で構成され20画。それで「5月20日」? 何でもありですね。

 日本は国土の約7割が森林、樹木の発する揮発性物質フィトンチッドは①害虫防御②人間にはリラックス効果、ストレス軽減③空気浄化、消臭

等の効果があるそうです。なぜか、植物が傷つけられた時にその成分が放出されます。確かに森の中では動物の死骸や糞尿がいたるところにあると思うのですが、森の中に入って悪臭を感じたりはしないですね。すべてが浄化されてる空気感です。まさに森林浴の世界。人間の脳内のアルファ波を増加させるようです。

 ところで「アルファー波は周波数7から13ヘルツ」人間がもっともリラックスできる状態とのこと。

 *周波数1ヘルツとは、振動している物体が1秒間に1回振動していること

  さらに、

  ベータ波 ・・・ 「13~30ヘルツ」 緊張状態、目覚めている

  ガンマ波 ・・・ 「30ヘルツ」 興奮、イライラなど

  周波数が少ない方は、

  シータ波 ・・・ 「4~7ヘルツ」 ぼんやり、転寝など

  デルタ波 ・・・ 「0.5~4ヘルツ」 熟睡、昏睡など

 デルタ波なんか熟睡と昏睡、生死で紙一重ですね。

 ちなみにおバカなわたくし、手のひらで1秒間に何回か降ってみましたが、すべて緊張状態、安寧はありませんでした。そらそうです。「波」が前提なので、もともと体に感知できないものをふれるわけがない。

 でも一度でいいから「アルファー波」が出ている部屋で「最大限のリラックスとやらを」体感してみたいものです。

 松など針葉樹林が近くにある山荘をお持ちの会員の皆様は、当高原へいらっしゃればフィトンチッドの中で森林浴三昧ですね。

 29日は「コンニャクの日」。ほぼ99%が水分。コンニャクにある水溶性植物繊維のグルコマンナンは水分と一緒になると膨らん量が増加。腸壁をゆるやかに刺激するので便秘解消、お腹すっきり。また、善玉菌の餌にもなります。

 是非、日常の料理の一品に加えていただきたいですね。

 27日は「百人一首の日」。藤原定家が「小倉百人一首」を完成させた日にちなんでいるとのこと。

 以前も記載したかもしれませんが、この100首中43首が「恋に関するもの?」。自然を愛でる首もなかなか秀逸です。

 一部は再掲にはなりますが、少し掲載しておきます。

 皆様も、是非、この高原にこられ、一時、「小倉百人一首」を読みかえしていいただければ幸いです。

  秋(あき)の田のかりほの庵(いほ)の苫(とま)を荒みわがころも手は露   に濡れつつ    ~天智天皇~

 春(はる)すぎて夏来にけらし白たへのころもほすてふあまの香具山

         ~持統天皇~ 

奥(おく)山にもみぢ踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき

         ~猿丸太夫~

あまの原ふりさけ見ればかすがなる三笠の山にいでし月かも

         ~安倍仲麻呂~

*作者は15歳で唐へ留学。35年たって日本へ帰ろうとするが暴風で帰れず。 

 その時の歌だそうです。そのまま唐朝に20年ほど仕え70歳で亡くなった。

 15歳までの三笠山の月は、彼の望郷の象徴、月は日本からも見える、故郷との距離を感じるものだったのでしょうか。帰ろうとして帰れなかった無念、最後に見た月はどうだったのでしょう。きっとその無念を百人一首に選首することで引き継がれたということでしょうか。

ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ

         ~紀友則~

人(ひと)はいさ心も知らずふる里は花ぞ昔の香に匂(にほ)ひける

         ~紀貫之~

こころにもあらでうき世にながらへば恋しかるべき夜はの月かな

         ~三条院~

*三条院は「栄華を誇った藤原道長」の圧迫をうけ眼病も患うなど病気がちの方でした。目も見えなくなる不安の中で詠んだ一首で、月の美しさは格別できっと眼に焼き付けたのでしょう。その覚悟が感じられます。

等、どの首も深く心に染みわたります。ちょうど今「アルファー波」がでてきたたようです?

 我々世代は高齢者・後期高齢者の方が多いです。

 普段の生活の中でついつい忘れがちになるのですが、ささやかな時間を設けるだけで、かけがえのない過去の思い出・文化などにたどり着くことができます。

 皆様、それぞれの時間の中で、もう一度、楽しかったことなどやり残していることなど見つけて「何かしようかな?」と思えればよいですね。


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