穀雨(6節気4/19~5/4)

 春の終わりを告げる「穀雨」の節気となりました。この時期は、雨が降り注ぐため、穀物などの種を植えるとよく育つと言われています。

 今日の高原内は雨ですが、農家の方にとっては恵みの雨になりそうです。

 次の5月4日には「立夏」となります。やはり年を重ねるごとに時の進みが少し早くなっているようですね。

 雨の中を車で走っていると、いたるところにシャクナゲの花が咲いてきているようです。大輪まではいっていないですが雨でしっとりとと濡れている花は色鮮やかで、なぜか誇らしそうにも見えて素敵でした。

 さて、この24日は植物学の日です。最近、マスコミなどでもよくででいますが、植物学者、牧野富太郎(1862年~1957年)さんの誕生日からきているようです。同氏は、高知県出身。独学で興味のあった植物の知識を習得し、「植物学雑誌」の創刊に携わったそうです。同氏は、新種ヤマトグサをはじめ約1500種以上の学名をつける(日本の7000種ぐらいの自生植物の内)ほか、「牧野日本植物図鑑」を刊行するなど「日本植物学の父」と呼ばれています。

 結構、女性関係のことでは賑やかしていたようですが、「スエコザサ」(新種のササを始めて見つけて命名)にあるように、研究に没頭しお金を使い果たす同氏を金銭面を含めて献身的に支えた妻の「壽衛(すえ)」さんの墓標に、「世の中のあらむかぎりやすゑ子笹」と刻みました。(現在、東京練馬の自宅の庭に植えられており記念館の方?が大切に育てています)

 妻の思いを分かっていたのですね?妻への感謝の仕方で「スエコザサ」という永遠の名前を残したのでしょうか。

 同氏の生まれ高知県には建築家 内藤廣氏が設計した有名な「牧野富太郎記念館」があります。この建築家、恐竜や魚の背骨をイメージした天井などなかなか面白い建築物が多いです。この記念館は自然と人間との「持続性」(サスティナビリティー)方がテーマ。将来の樹木の成長を見越して景観にも配慮しています。確か、山の斜面に建築していますが目立たないよう平屋?本人の建築に対する語りで聞いたことがあるのですが、小舟に乗って櫓を漕ぎ眺めている感覚、建物が完成したからここで終わりではなく、時間とともに流れゆく先を想像しながら見ていく感覚、「建築は時代とともに生きていく・・・」のような、お洒落な考え方がコンセプト。当館は1999年オープン、高知市にいったら是非とも訪れたい所です。

 そして、4月28日は「良い庭」。四国ついでというと失礼ではありますが、日本庭園として高松の「栗林公園」をとりあげます。高松市にある回遊式大名庭園。行ったことがありますが、本当に綺麗な公園です。庶民・平等社会では決して造園されない規模?・・・。でも当時の体制だからこそなしえた文化遺産?

 栗林公園は、背景の紫雲山を含めた面積、東京ドーム16個分の約75ヘクタールとのこと。文化財指定庭園としては日本一の大きさ。凄まじい・・・。

 6つの池と13の築山、明治維新までの約230年間、高松松平家の下屋敷として使用されていたそうです。 

 当公園は「日本三名園」の水戸の偕楽園、金沢の兼六園、岡山の後楽園に比べてもタイプはちがっても遜色ないのでは?

 「栗林」の名は1640年頃にはあったそうです。四季折々の顔を見せてくれそうですね。そこに立ち止まり一瞬の風を感じたときにはすでにタイムスリップ。幽玄の世界をのぞければよいですね。

 フランスの有名旅行ガイドブックのあの「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で三ツ星をとったこともあるそうです。

 規模は雲泥の差ですが、小学生のころ田舎の名士のお家に遊びに行ったとき、屋敷の大きさ、廊下の多さ、池と築山、池を跨ぐ太鼓橋、そして錦鯉にビックリしました。今思えば「池泉式回遊庭園」の個人版?ということでしょうか。

 ところが、そのおうちも、主代わり、表札も別名、庭園らしきものはなくなったようです。この世のもの常ならず・・・ でも「栗林庭園」は継承されています。すばらしい文化・伝統は後世に自然に残していきたいですね。

 

 


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