小寒(二十三節気1/6~1/19)

 皆様、年末・年始いかがお過ごしでしたか?

 年始早々、地震・航空機事故と大変な事態となっています。

 亡くなられた方々には心より哀悼の意を表します。

 播磨自然高原内の年末年始はおおむね穏やかな気候が続き過ごしやすかったです。日中も暖かい日があるせいなのか、桜の芽が例年より大きく感じられるのですが、いかがでしょうか? 植物は気温に敏感ですね。

 この7日は七草粥を食すれば無病息災になるとの伝え。

 以前掲載の、 芹乃栄(せりすなわちさかう 2022/1/5)小寒(二十三節気)初候 第六十七候 1月5日~1月9日頃 

 ~七草の内、セリの名前の由来ですが、「若苗がたくさん出る様子が競り合っているように見える」ことから名づけられたそうです。万葉時代は、既に食用にされていたとか。ただし、「ドクゼリ」は全草、特に、根や茎に猛毒があるそうです。そしてその根や茎は太く竹のような節があるとのこと。ちょっと怖くて素人には採りづらいですね?

 七草には、セリの「競り勝つ」以外は、

薺(なずな)  ・・・ なでて汚れを取り除く
御形(ごぎょう) ・・・ 仏の体
繁縷(はこべら) ・・・ 繁栄がはびこる
仏座(ほとけのざ)・・・ 仏の安座
菘(すずな、鈴菜、蕪(かぶ)) ・・・ 神を呼ぶための鈴
蘿蔔(清白(すずしろ)、(大根)) ・・・ 汚れのない清白

という意味があるそうです~

 春の七草はスーパー以外はなかなかそろはないですね。冷蔵庫野菜室にあるほうれん草・春菊・水菜・小松菜などの葉物野菜を代用してはいかがでしょうか。ビタミンなどがたっぷりとれておもち食べ過ぎなどの食傷気味の方にはぴったりです。

 15日は左義長、別名、「どんど焼き」・「どんと焼き」・「とんど焼き」・「どんどん焼」などたくさんあります。この日は「小正月」とも言いますが、新年の火祭行事。正月の松飾などを各戸から集めて社寺の境内や道祖神のそば、河原敷きなどで焼くようです。皆さんも正月明けに上郡町のあちこちで竹などで三脚にした大きいものを見られた方があるのでは?

 平安時代の文書には「三毬打」あるいは「三毬杖」の記述があり、この三脚を表しており、食物を調理したと考えられています。この火にあたれば体が丈夫になる、餅を焼いて食べれば病気をしないと「火への信仰」が今に伝えられています。

 さて17日は小説家尾崎紅葉の「金色夜叉」を題材としてできた「貫一ぐもり」の日です。舞台・映画では、小説より簡略化され、熱海の海岸で主人公貫一が自分を裏切った恋人お宮に「来年の今月今夜のこの月を僕の涙で曇らせてみせる」との名台詞の有名な場面があります。そして、この日の夜が曇り空になることを「貫一曇り」と呼ぶようになったそうです。熱海では、芸妓による『金色夜叉』の名場面が舞踊で再現されるようです。
 「金色夜叉」は、簡単に言えば、寛一が許嫁のお宮を資産家の銀行家の息子にとられてしまうという話です。この1月17日、お宮の本心を確認しようと熱海の海岸で詰問、お宮を足蹴にする場面もあります。今では受け入れられる場面でしょうか? 結局、寛一は人間不信となり金銭に執着し高利貸?になったようです。舞台演劇でのこの名台詞、

 実は、小説の中では ↓

「吁、宮さんかうして二人が一処に居るのも今夜ぎりだ。お前が僕の介抱をしてくれるのも今夜ぎり、僕がお前に物を言ふのも今夜ぎりだよ。一月の十七日、宮さん、善く覚えてお置き。来年の今月今夜は、貫一は何処でこの月をみるのだか!再来年の今月今夜…十年後の今月今夜…一生を通して僕は今月今夜を忘れん、忘れるものか、死んでも僕は忘れんよ! 可いか宮さん、一月の十七日だ。来年の今月今夜になったならば、ぼくの涙で必ず月は雲らして見せるから、月が…月が…月が…曇ったらば、宮さん、貫一は何処かでお前を恨んで、今夜のやうに泣いていると思ってくれ」

 結構、恨み節ですね。

 ところで、お宮を横どった銀行家の御曹司の名前は「富山唯継」。富の山をただ継ぐだけと命名。明治時代の紅葉さん、結構、洒落っ気ありますね。

 この節気と次の節気「大寒」は文字通りもっとも寒い時季となります。

 皆様、決して油断せず、お体大切にお過ごしください。

 

 


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