2022/8/23 掲載
播磨自然高原では残暑厳しい日々が続いていますが、朝晩は涼しさを感じられる時節となりました。
処暑の「処」は「止まる」という意味があるようです。正に酷暑・猛暑の時からはその暑さは和らぎ少しは止まったようにも思われます。
今、夕暮れ時ですが、前回記事にしたときは「ひぐらし」の音だったのが、一節過ぎると「虫」の鳴き声が大勢をしめています。季節の変わり目を確かに告げ夏にお別れを言っているようです。
「カンタン」がずっと鳴いています。エンドレスです。アオマツムシ、スズムシあたりの音の方が耳には聞こえが良いのですが。小さい頃は田舎の家は開放的というか?鍵など閉めず窓は開放、いつかエンマコオロギなどが家に入ってきて秋の夜長、鳴きだすことも、子供ながらに夜のとばりの怖さ寂しさを感じたり、もう寝なきゃとか、今思えば虫さんたちには大変お世話になっていました。
そして、秋の七草の候となりました。
以前、小寒初候「芹乃栄(せりすなわちさかう)」では「春の七草を」とりあげました。(参考にバックナンバーを見てくださいね)
その時に「春の七草の覚え方として・・・(記事抜粋)」
<・・・さて、この七草、一年に一回なのが原因なのか、・・・のせいなのか、悲しいかな毎年忘れて
思い出せません。そこで、昔からあるこの歌、
芹なずな 御形はこべら 仏の座
すずなすずしろ これぞ七草
で春の七草を覚えることにしました。やはり和歌の5、7、5、7、7に分解した方がごく自然に覚えら
れそうですね。でも来年覚えていなかったら「忘れ七草」といたしましょうか? ・・・>
同様に、「秋の七草」の覚え方を奈良時代の歌人「山上憶良」の和歌から
萩の花 尾花葛花 なでしこが花
女郎花 また藤袴 朝貌(あさがほ)が花
韻律は 57577 でなく 577 577 ですね。
和歌は短歌などの「総称」で、その内 短歌は57577、 短歌以外の和歌には 長歌 5757の繰り返しの後577で終わる形、 旋頭歌 577577、そのほか古事記・日本書紀には上記のルールに従わない韻律の歌もあります。
ちなみに俳句は、短歌の57577 の前句である575が独立して一つにジャンルとして確立されたものです。
この山上憶良作は「船頭歌」?いうことでしょうか。
この歌の尾花は「ススキ」、朝貌(あさがお)は今の桔梗(キキョウ)のことらしいです、「女郎花」は「をみな(女性)」を「へし(圧倒する)」から「女性を圧倒する美しさ」と言われています。
このそれぞれの最初の音を結んで「おすきなふくは」の問いかけで覚える方もいるそうです。
皆様、お好きな方で参考にしていただければ幸いです。
夏に入山されなかった方、是非、涼しくなってきた播磨高原においでになり、日頃のお疲れを癒していただけらよいですね。
朝は朝戸風、夜は小夜風が心地よい涼風を届けてくれるかもしれません。