桜始開(さくらはじめてひらく)

  • 2022/3/25 掲載

春分(四節気)次候 第十候 326日~330日頃

 桜の花が咲き始める頃です。

 ここ播磨自然高原も、下の方では蕾から花が咲き出したようです。高度400メートルの上の方では、まだ蕾の状態です。

 古より、桜と言えば吉野の桜、「山桜」が有名ですね。当高原も何千本か?あるのは「山桜」が中心だと? 詳しい方、機会があれば教えてくださいね。

 今では、代表的な桜、日本の桜の8割を占める「染井吉野」は品種改良の産物です。江戸時代に今の東京都豊島区駒込(当時は染井村)の植木職人が作った「江戸彼岸系の桜」と「大島桜」の雑種の交配種、挿し木でしか育たないそうです。

 吉野の観光案内所からの引用ですが、「シロヤマザクラは下・中・上・奥の4箇所に密集しており、”一目に千本見える豪華さ”という意味で「一目千本」とも言われます。おのおの下千本(しもせんぼん)、中千本(なかせんぼん)、上千本(かみせんぼん)、奥千本(おくせんぼん)と呼ばれており、例年4月初旬から末にかけて、下→中→上→奥千本と、山下から山上へ順に開花してゆくため、長く見頃が楽しむことができます」「吉野山には古来桜が多く、シロヤマザクラを中心に約200種3万本の桜が密集しています」

 皆様も1度は吉野に行かれたかもしれませんが、当方も泊まりで一度いったことがあります。ほぼ1日歩いて桜を満喫、夜は温泉・宴会で花見酒(奈良の日本酒は最高ですよ)、お土産は「吉野葛」?だったと? 桜の名所があるそうで、「雲井の桜」「滝桜」「布引の桜」「天人桜」「夢見桜」「御所桜」などおしゃれな名前がついているそうです。当時、この名前があったか覚えていません。

 「桜」は、「さ」(神様のこと)と「座(くら)」からなっており、神様が御座候ところからと書いてある記事を読みましたが、そうなんでしょうか? 甘党はあの「御座候」がすぐ浮かぶのですが。

 さて、日本人の桜に対する思いとは、散りゆくものへの「儚さ」「無常観」「切なさ」「潔さ」などが、あの圧倒的な花の「美」との対比において、そして人の世に重ね合せた時に心底から感じる慈しむ心情なのでしょうか?

 先人「在原業平」の有名な歌、

「世の中に たえてさくらの なかりせば 春の心は のどけからまし」

正岡子規

 から山の 風すさふなり 古さとの 墨田の櫻 今か散るらん 

 乾いた山から風が吹いている。ふるさとの隅田の桜も今頃散ろうとしている?

(子規が日清戦争時、従軍記者だったときの1首、当時どういう心境だったのでしょうね?)

岡本かの子

 桜ばな いのち一ぱいに 咲くからに 生命をかけて わが眺めたり 

 桜の花が力一杯に咲いている、だから私も全身全霊眺めるよ。

(あの岡本太郎さんのお母さんの1首1詩?、岡本太郎さんの「挑む」姿を彷彿させますね。)

西行法師

 願わくば 花の下にて 春死なむ その如月の 望月の頃 

 桜が大好き西行さん。そのまんま死ぬ時と場所を願い、ほぼ願い通り「2月16日に亡くなった」。 

 奇しくも2月15日は釈迦の入滅日。

 さすが西行さん。

 儚いような、でも可憐な山桜、ほかで花見しなくても皆さんの山荘でゆっくり観ることができます。

 播磨自然高原を感じることができる至福の時です。  

 皆様、来山して、ベランダから、また散策しながら思い思いの愛で方をしてみませんか?


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