菜虫化蝶(なむしちょうとかす)

  • 2022/3/15 掲載

啓蟄(三節気)末候 第九候 315日~320日頃

 青虫が羽化して蝶になる頃です。

 菜虫は菜を食べる青虫、大根・蕪・キャベツなどのアブラナ科の葉っぱによくつきます。

 畑をやっているので、虫食いのひどい時はそれ以上成長せずがっかりする時があります。農家の方は大変だと思います。

 蝶とこの時期の黄色い花、そう「菜の花」はぴったりですね。一面が菜の花、皆さんの幼少期に見ていたあの光景、綺麗な残像を思い出しませんか?

 

 蝶と言えば「紋白蝶?」、原産地はヨーロッパ、奈良時代ごろまでには大根の栽培と共にきちゃったらしいです。

 

 最初は青虫、栄養を蓄え蛹へ、そして蝶へ完全変態します。この完全変態は、生命体における不思議な現象とされているようです。青虫があの綺麗な蝶へ激変ですね?

 蝶といえば、昭和初期、詩誌「四季」創刊メンバーの詩人 「三好達治」が、

蟻が 蝶の羽をひいて行く ああ ヨットのようだ ()

 ちょっとショックながら、自然の中で「生」を考える瞬間でもあり、ヨットにみたてるところなど、いろいろと考えさせられますね。そういえば、道端などでよくみかけものです。 

 もうひとつ、荘子の「胡蝶の夢」

 中国戦国時代の道家思想家、荘子が夢の中で胡蝶になり花と遊んでいたが、夢から覚めた時自分が胡蝶になっていたのか、胡蝶が自分になっていたのかわからなくなったことから、「夢か現実かはっきりわからないさま。人の世ははかない」とたとえられています。

 しかし、壮子の言いたかったことは、常識ではこのような夢に区別をつけてそんなことはないというより、この夢は自分と物との区別のつかない物我一体の境地であり、元を正せば万物の根源は一緒、ならば現象界の変化に一喜一憂するのは愚かであると。人間の小賢しさや執着を諫めたということですね?

 言っていることは哲学にも思えるのですが、興味のある方は、「荘子」の「斉物論」を調べてみてください。  

 さて、播磨自然高原は、春うらら、昨日なんか日中20度近く、花粉も飛んでいるようですが、過ごしやすい季節となってきました。

 皆様、この時期、遠ざかっている方は、久し振りに高原に来られてゆっくり寛がれてはいかがでしょうか?


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