霞始靆(かすみはじめてたなびく)

2022/2/24 掲載

雨水(二節気)次候 第五候 224日~227日頃

 霞が山にたなびき景色がかすんで見える頃です。 

 霞は水蒸気を多く含んだ空気といえば、霧と現象は同じですが、こだわりがあるのか春のみの使用となっています。春になりかけの暖かい空気、草木の香りなどを想えば、冬を迎える前の秋の霧とは「別物」ということでしょうか。

 夜の霞は「朧(おぼろ)」といい、皆様もよく聞いた「朧月(おぼろづき)」を想像されるのでは。

 そして、「霞」は「たなびく」、「霧」は「立ちこめる」又は「かかる」と言いますね。日本人の感性が一緒にはできない、研ぎ澄まされた言葉に昇華したようです。

 朝焼けに霞む「朝霞」、夕焼けに霞む「夕霞」・「晩霞」、霞が幾重にも重なり奥行きもある「八重霞」、 霞む光を「朧影」、切り絵に出てくるような遠くに霞んで見える家の明かりを「灯朧(ひおぼろ)」、さらに、音についてもかすかに聞こえる鐘の音を「鐘朧」と表現は豊です。人に対してはこの「霞」はあまりよくないようですが、今の世、「のほほん」「ぼんやり」とあまり明確ではない方が「余裕のある」「味がある」「多様性」などを考えれば、そんなに悪くはないとも思いますが?

 霞の歌としては、六歌仙の一人、僧正遍照(816-890)の歌

花の色は霞にこめて見せずとも香をだにぬすめ春の山風

  ー「古今和歌集」ー俗名《良岑宗貞(よしみねのむねさだ)》

 春の景色は霞に隠して見せなくてもいいが、香りだけでもよいので盗んできてね、お願い春の山風さん、というところですか?

 播磨自然高原は、寒さの中にも、樹々の揺れ、雲のたなびき、空の色、風一つとっても万物が蠢いてくる兆しを少し感じています。もうすぐ弥生月(草木生い茂る月)。鶯の声を楽しみにしたいと思います。

 皆様もそれぞれの春を感じて健やかにお過ごしください。


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