土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)

2022/2/19 掲載

雨水(二節気)初候 第四候 219日~223日頃

 春の雨が降り土に潤いをもたらす頃です。

 それにしても、まだ寒さ厳しいですね。播磨自然高原北の端のほうでは、この間、朝方の最低気温が12月以来マイナス5度以下となる日がありました。そして少し白化粧。人は何とか暖房でやっていけますが、ヤマガラさんほか森の動物はどうしてすごしているのかなと思ったりもします。

 節気も「雨水」へ、昔から農耕の準備の目安となっていた節気です。気候のわずかな変化から、やがて虫や花が我々の生活の中に現れて、いつもと変わらぬ世界をつくって賑やかにしてくれます。

 はっきりとした四季をもち恵の雨も降る国、日本。日々の生活のなかから様々な雨を感じとって情緒豊かな表現をしてきました。

 立春から桜の花咲く前ごろまでに降る「春時雨」、霧のように降る「小糠雨」、花・草木に栄養を与えるこの時季の雨を「養花雨」(ようかう)、「甘雨」、「慈雨」などたくさんの呼び名があります。自然に接する人々の営みの中から紡ぎだされた珠玉の言葉ですね。

 幼少の頃、どこかで「春雨じゃ濡れていこう」というセリフが流行ったことを覚えています。

 行友李風 (ゆきともりふう) の戯曲で、大正8年「新国劇」により初演(幕末の京都、長州藩士「月形半平太」を取り巻く恋と剣の物語)された中でこのセリフがあったそうです。劇中モデルは武市瑞山(実際は土佐藩士、坂本竜馬とも深いかかわりのある人ですね)で、半平太が傘を差し掛けようとする舞妓に言う有名なせりふとのこと。今では「きどった、気障な」言葉として残っているようです。

 ついでに春雨の歌、

春雨の 花の枝より 流れこば なほこそ濡れめ 香もやうつると

   ー藤原敏行ー(後撰和歌集)

ひさかたの 雨の降る日を ただ独り 山辺に居れば いぶせかりけり

   ー大伴家持ー(万葉集から) 春雨にもいろいろな思いがあるようです。


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