麋角解(さわしかのつのおつる)

2021/12/26 掲載

冬至(二十二節気)次候 第六十五候 1226日~1230日頃

 大鹿の角が頭から抜け落ちる頃です。

 日本に住む「ニホンジカ」は、この「麋→大鹿のこと」とは違います。

 「麋」は「トナカイ」・「ヘラジカ」などの大型を言うそうです。

 日本の気候風土に合わせて改訂された「七十二候」なのに、なぜ、日本に棲息しない「麋」をとりあげたのかは諸説あり?

 奈良の春日大社ほか神社で飼われている鹿は「神の使い」であるとして大切にしてきた歴史から「鹿」を「七十二候」に残したかった? でも、ニホンジカの角が落ちるのは春先、「鹿」を使うわけにいかず、中国に棲息していた「麋」はこの時期に角が自然に落ちるので、結果、中国伝来のままこの「七十二候」にとりあげた? 色々と事情がありそうですね。

 でも「トナカイ」なら、前の候のクリスマスの時期にピッタリ。

 日本では見ることができない「麋」ですが、雄大なフィンランドの森で雪道をかけ廻る「トナカイ」を想像するのも素敵ですね。

 ところで、この播磨自然高原といえば「鹿」が先住民?といえるほど多く棲んでいます。皆さんも来られた時に昼でもばったり遭遇されていると思われます。特に秋の夜に鳴くあの物悲しい鳴き声が播磨自然高原の谷間にこだますることがあります。初めてこちらに来て初めてその声を聞いた時、得体のしれない暗闇の中で何がいるのかわからず、「私はどこにいるの」「何が起こっているの」とちょっぴり不安にさせられたことを思い出します。あれから11年。

 今では牡鹿が妻を求めて鳴いているのだと?知り、妙に親近感がわき、哀愁のあるその声に古を想うことも。

 ピッタリな一首、

 小倉百人一首で、 猿丸太夫(古今集の詠み人知らずの歌を集めた「猿丸太夫集」の中にある歌)の

「奥山に紅葉ふみわけなく鹿の声きく時ぞ秋はかなしき」が有名

 山奥で、散り積もった紅葉をかきわけ牡鹿が妻を求めて鳴いているのを聞くと、秋の悲しさが無性に感じられる 

 さて、播磨自然高原は今日から冬日になりそうです。

 気象庁によると、「冬日」は最低気温で決まるようで、最低気温が0℃未満の日を冬日と、ちなみに、真冬日については、最高気温で決まり、0℃未満の日を真冬日というそうです。

 真冬日はなさそうですね。  とはいえ、この寒さ、皆様くれぐれもお体大切に、また、朝夕冷え込んだ時の車の運転には注意してくださいね。


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