熊蟄穴(くまあなにこもる)

2021/12/12 掲載

大雪(二十一節気)次候 第六十二候 1212日~1216日頃

 熊が穴に入り冬ごもりする頃です。

 冬眠というよりは「熊の冬ごもり」と言う方が近いそうです。熊は雑食なので、穴にこもる前にどんぐり等の木の実・山ぶどうなどの果物や動物の肉などをたくさん食べて皮下脂肪をつけます。穴の中に入ったあとは、何も食べず、ほとんど身動きせず使用エネルギーを節約して代謝をスローダウン、結果、脈拍・呼吸数も落ちるそうです。リスなどのように低体温で明らかに休眠することはないということで、「冬ごもり」という言葉に・・・。(「冬眠している」とする説もあるようですが?)

 この間、穴の中で出産、数ヶ月間も飲まず食わずで授乳をして子を育てるそうです。  ある意味、外敵から子を守ることができる? 大変でしょうが理にかなっていますよね?

 この播磨自然高原、大字か小字に登記簿では「奥山(おくやま)」がついていたと思いますが、本来は人がいない山の奥での熊さん家族の営みを、人間界の72候という季節の中に取り込んでいる、やはり、ここでも自然との共生というテーマを大事にしているのですね。

 しかし、穴から出てくる時は、おなかはスキスキ、体はやせ細り、しかも幼い子供を抱えた母親はとても神経質になっているということです。この時期はやはり人間にとっては危険。

 ところで、動物園のクマの冬ごもりは? そういえば冬でも熊はいますね? ご飯があるのでこもらないそうです。 動物園の良さもわかるんですが、自然の摂理までかわるのはと、ちょっと、複雑な感覚に・・・。

 穴にこもる前にたくさん食べた食物はおなかの中で発酵、血液は汚れるし、毒素が身体中に回ってしまうのでは心配しますが、そこは、「隈笹」の出番です。クマと言えば笹。パンダも笹を大量に食べますね。 クマ笹には、血液浄化作用、悪臭の原因物質を取り除く作用があるそうです。大量に笹も食べているので大丈夫だそうです。

 それでも、穴から出てきてすることはやはり隈笹を食べること。クマザサ(隈笹)は、冬になると葉の周辺が枯れ死して白く隈取られたようになります。そこから銘々。イネ科ササ類、西日本の産地に自生し、生薬として「食品防腐作用」(笹に含まれるアンソクコウ酸の殺菌・防腐作用)、その他成分にはビタミンC、K、B1、B2カルシウムと、胃もたれにもよいと。新鮮な葉の柔らかい部分を1回20~30g採ってミキサーなどにかけて青汁を作って服用、と薬草の本に書いてありました。私は、一時期、お茶として使っていました。(ドクダミ、ハブ茶等と一緒に作ります) そういえば、「ちまき」など食べ物を包まれている大きな葉、笹が使われていますね。天然の防腐剤だっ? ・・・腑に落ちますね。

 さて、赤穂市では義士祭りが討ち入りの12月14日に行われます。(残念ながら露店は中止のようです)興味のある方は近くなので行かれてみてはいかがでしょうか? (写真は赤穂 大手隅櫓)


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