霎時施(こさめときどきふる)
- 2021/10/28
霜降(十八節気)次候 第五十三候 10月28日~11月1日頃
小雨がぱらぱらと降ったりやんだりする頃です。
この時期は、一雨ごとに温度が1度下がるそうです。紅葉はだんだんと色濃く染められ秋が深まっていきます。この播磨自然高原では、スポーツランドの紅葉の一部が色づき始めています。もう少し色鮮やかになった頃、皆様にも写真でお伝えします。
さて、この小雨のことを「時雨」(しぐれ)とも言います。
時雨は、「夕時雨」・「秋時雨」・「小夜時雨」・「初時雨」など多くの言葉を冠して昔から和歌などで詠まれています。
例えば、
秋にやはかはらぬ雲の夕しぐれさすがに空の冬ごもりして
(正親町天皇 「正親町院御百首」 冬歌から)
晴れくもりさだめなければ初時雨いもが袖笠かりてきにけり
(藤原基俊「堀川百首」から)
この歌は、晴れたり曇ったり天気が変わりやすい季節の初時雨の中、妻の着物の袖を笠の代わりににしてここにやって来ましたよ、の意。
(今時で言えば、夫婦連れでどこかへ行ったのでしょう?途中、時雨にあい、妻の着物の袖を笠代わりにして目的地に着いた?約1,000年前に生きた藤原基経、奥様に声かけられてお世話になったのでしょうか?それとも、「おい、お前袖を出せ?」とでも? 色々想像できて素敵な一首?今なら、自分の服を脱いで奥様に掛けないと?)
その他、秋に風で木の葉が盛んに舞い落ちてくる様を「木の葉時雨」と言ったりします。風情のある表現ですね。
晩秋の候、日ごとに肌寒くなり、昼夜の温度差も大きく、体調管理も難しいですが、 くれぐれもお体お気をつけてお過ごしください。