雷乃収声(かみなり すなわち こえをおさむ)

  • 2021/9/23 掲載

秋分(十六節気)初候 第四十六候 923日~927日頃

 雷が鳴らなくなる頃です。

 今日、相生の方から播磨自然高原へ向かう時、北西の方向に大きな入道雲が発生していましたが、稲光等はなく静かにしていたようです。これからの時期、空は天高く「鰯雲」などがみられることでしょう。

 いにしえより、雷の季節は稲が生育して実るまでの時期と重なっています。(地域により結構相違しますが)

 雷は、稲作農耕民にとっては、「稲妻」とも言うように、とても身近な自然現象でした。稲が開花し実を結ぶには窒素を必要とします。(食物の生育には、原則、窒素・リン酸・カリは必要です)雷が発生し、空気中の酸素や窒素に化学反応を起こすことにより天然の窒素参加物が作られ、これが雨で田畑に降り天然の肥料となり植物の成長を促します。落雷した田では本当に稲が良く育ち、雷の多い年は豊作と言われていた?(雷の文字を分解すると「雨」が「田」に降って?)

 以前、お米を作っていた時、田植えをする前に「フェアリーベッチ」というマメ科植物を生やし、その根粒菌が空中窒素を固定し土壌を肥沃化させることを利用していました。まさに空中窒素を雷がより多く提供していたということ?

 さて、秋のお彼岸と言えば「彼岸花」。別名は曼珠沙華、お彼岸の頃から開花して、真っ赤な花が秋を彩ります。畑をやっているので、この時期、間違いなく田舎の土手、田畑の畔などに咲き誇っています。(写真は今日の上郡町内の土手沿いで撮影したもの)

 彼岸花は、花・茎・葉・根全てに毒があります。花の色・形が「燃える炎」のようであることから、家に持って帰ると火事になるという言い伝えがあるようですが、これは、子どもを毒から遠ざける為の方便?

 モグラ・ネズミなどが土に穴を掘ったため根が成長せず作物が育たないという被害などを防ぐために、その毒性を利用し、田畑の畦道や、堤防・土手・墓地の周辺などに人為的に植えられたようです。

 彼岸花は球根植物、非常に頑強、少々抜いたところで翌年は生えないことなど全くありません。

 必ずまいられます。先祖が来られていることとも関係がある?  

 インパクトの強い花、季節を必ず知らしてくれる、それが「曼殊沙華」。


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