暦の上では「大雪」となりました。冬の気配がますます深まる中、寒さの厳しさが一段と増してくるのを肌で感じています。山々の峰はなんとか紅葉が残りつつも枯れてきた風情です。早朝に一面の静寂をもたらす自然の壮大さに心打たれる一方で、寒さに震える木々や、この季節を生き抜くであろう生物たちの逞しさに思いを馳せるところです。
この時期になると「ナンテン」をよくみます。古来より、「難を転じる」から庭木として人気を博してきました。
9日は漱石忌。
夏目漱石の代表作は、その独特な視点と深い人間理解により、読者の心に鮮やかな印象を刻みますね。
代表作の概要を記してみます。
『吾輩は猫である』
「吾輩は猫である。名前はまだない。」この一節で始まる物語は、無名の猫が人間社会を風刺的かつユーモラスに語ります。猫の冷静な視点を通じて、明治時代の人々の虚栄心や矛盾が炙り出され、時に笑いを、時に深い洞察をもたらします。「人間というものはどうしてこうも皮相浅薄なんだろう。」と猫の視点を通じて語られるこの一言は、人間社会の表面的なあり方を見事に突いています。どこか哲学的な響きがあり、読む者に思わず自身を振り返らせる鋭さを持っています。
『坊っちゃん』
東京育ちの正義感あふれる青年が、地方の中学校で巻き起こす痛快な物語。狡猾な同僚たちとぶつかり合いながらも、彼のまっすぐな性格は、読む者に胸のすくような爽快感を与えます。「親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしている」という冒頭の言葉通り、純粋さゆえの失敗が物語を引き立てます。確か、ドラマでも観たことありますね。
『こころ』
「先生」と「私」の関係を軸に、人間の孤独や罪悪感、愛憎の深みを描く名作。先生の告白文から浮かび上がる過去の悲劇は、読む者の心に重く深い余韻を残します。「心」という言葉が持つ多義性を体現した作品です。
『明暗』
漱石の遺作で未完ながら、結婚生活を中心にした男女の心理戦が緻密に描かれています。主人公たちのすれ違いや内面の葛藤は、現代にも通じるリアルさを持ち、物語がどのように展開していたのか想像をかき立てます。「人間というものは、他人に対して常に勝とうと思うものだ。」
未完の作品ではありますが、この言葉は漱石が描こうとした人間の複雑な心理を端的に表しています。競争心や嫉妬など、人間の本能的な感情がにじみ出ており、現代においても共感できる深い洞察が含まれています。
皆さんも昔に戻ってどれか一冊読んでみますか?
さて、この節気に2024年のノーベル賞の授賞式があります。今年のノーベル賞は、人工知能(AI)や機械学習の分野での革新的な研究が高く評価されました。
ノーベル物理学賞は、ジョン・ホップフィールド氏(プリンストン大学)とジェフリー・ヒントン氏(トロント大学)の2名が受賞。彼らは、人工ニューラルネットワークによる機械学習を可能にする基礎的な発見と発明により、AIの発展に大きく寄与。彼らの研究は、AI技術のさらなる発展を促進し、医療診断や自動運転など、さまざまな分野での応用が期待されています。まさに旬な話題ですね。前にも申し上げましたが技術の進歩には一般の人は抗えずに益々発展していくこの技術、少しは使い有効利用していくことも大事というこでしょうか? 高齢者にはついていくのがつらいですが?
ノーベル化学賞は、デミス・ハサビス氏、ジョン・ジャンパー氏、デビッド・ベイカー氏の3名が受賞。彼らは、AIを活用したタンパク質の構造予測と設計において画期的な成果を上げました。
ノーベル生理学・医学賞は、ヴィクター・アンブロス氏とゲイリー・ラヴカン氏の2名が受賞。彼らは、マイクロRNAの発見と、遺伝子発現の調節におけるその役割を解明しました。
ノーベル文学賞 は、ハン・ガン氏が受賞。彼女は、歴史的なトラウマや人間の脆弱性を詩的なプローズで描き出しています。
ノーベル平和賞は、日本の被爆者団体「日本被団協」(日本原水爆被害者団体協議会)が受賞。彼らは、核兵器廃絶と平和の推進に長年尽力されてきました。
受賞された団体の方が喜んでいる姿をネットで拝見いたしましたが、よかったですね。核兵器のない世界を目指す世界の人々の努力が今後とも必要ですね。
さて、今年の赤穂義士祭は12月14日(土)に開催されます。
赤穂市によると、
開催概要
- 日時: 2024年12月14日(土)10:00~16:00
- 場所: 赤穂城跡、お城通り、いきつぎ広場周辺
主なイベント
- パレード: 10:00~15:00
- 元禄時代を再現した「義士行列」や「大名行列」、忠臣蔵の名場面を演じる「山車」などが市内を練り歩きます。
- 特別出演として、俳優の内藤剛志さんが大石内蔵助役として義士行列に参加します。
- 忠臣蔵交流物産市: 10:00~16:00
- 忠臣蔵ゆかりの市町や近隣市町の特産品が集まる物産市が開催されます。
前夜祭
12月13日(金)には、花岳寺や大石神社で義士追慕の前夜祭が行われ、鎮魂のイルミネーションが実施されます。
是非、皆さん一度覗いてください。