「露寒(つゆさむ)」という草木に伝う露が冷たく感じられるという「寒露」の節気となりました。
秋が過ぎゆく頃、「秋の日は鶴瓶落とし」午後5時台には陽は落ちていきます。前の節気の秋分の彼岸の頃に咲かなかった「曼殊沙華」が上郡の郊外の田畑の畔・畝にほぼ10日遅れで現れています。今年の夏・初秋は「暑かったよ」と言っているようです。
13日は「サツマイモの日」、何故か女性の方が好きなようです。
昔はホクホク系の「紅あずま」、今はネットリ系の「紅はるか・安納芋」が人気です。
サツマイモといえば、江戸時代に飢饉を救ったことで有名な蘭学者の「甘藷先生」こと青木昆陽さんのことを思い出します。
8代将軍徳川吉宗の時世、同氏のサツマイモ栽培の奨励政策が幕府に採用されました。それは「享保の大飢饉」で薩摩藩に餓死者が出なかったことに起因します。そうです、さつまいもを食べることができたのです。以降、東京の小石川、千葉県の九十九里でのサツマイモが栽培されるようになりました。そういえば、逆境に強いというか、荒れ地のほっとき栽培でも結構できるものです。繊維質も多く栄養素も高い、貴重な食材ですね。江戸時代、その後の「天明の大飢饉」・「天保の大飢饉」などでも大活躍、戦後の食糧難でも多くの人命を救ってくれました。
先の「九十九里」ではないですが「くりよりうまい十三里」という言葉があります。「十三里」とは「焼き芋屋」のことです。「焼き芋が焼き栗の味より上でおいしい」ということらしいです。江戸っ子の「洒落」で 「栗(九里)より(四里)うまい十三里」→「九里+四里=十三里」からきています。
さて、21日頃未明には極大になった「オリオン座流星群」を迎えることができそうです。ハレー彗星から生まれた「流れ星」、1時間に約10~20個程度見えるかもしれません。この流星は、ハレー彗星が太陽系を通過した際にばらまいた塵や破片です。「塵・破片」と言ってしまえばちょっと興ざめですが、「流れ星」と言えば美しく流麗で物語のある情景が浮かんできそうで素敵です。
皆様、播磨高原の夜空を眺めて見つけられたらよいですね。
ただし、今年の夜は、お月様も一緒で見えずらいようです。暗くなった一瞬?を狙って探す?ということ?今回のオリオン座流星群の元は、1986年に太陽系を通過しときにばらまいたもの? 次のハレー彗星の接近は2061年とのこと。
「流れ星」ではないですが、播磨自然高原上空からの映像をお楽しみください。
<匿名投稿の播磨自然高原の朝陽に照らされる雲海>
* 高原の上空からみると清々しくて癒されます。
遠くの山々の姿は絵画のようですね。
22日は時代祭です。平安神宮創建と桓武天皇の平安遷都を祝して明治時代より始められたものです。 動く歴史風俗絵巻とも評されています。行列は約2,000名で約2キロにわたり、明治維新時代から平安京の造営された延暦時代にタイムスリップ、京都の秋を彩ります。関心のある方は是非京都でご覧ください。
この日は「中也忌」でもあります。中原中也は山口市湯田温泉出で、30歳の若さで亡くなりましたが、詩人・歌人として有名。
<汚れつちまつた悲しみに >で始まるこの詩は一度は読まれた方も多いのでは。
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる汚れつちまつた悲しみは
たとへば狐の皮裘
汚れつちまつた悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
倦怠のうちに死を夢む汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところなく日は暮れる……
第一詩集『山羊の歌』に収録されています。
この悲しみと比喩表現をどうとらえるのかを推し量ることはできません。
皆様の眼で捉えていただければと。
この高原内では朝夕めっきりと冷えてまいりました。皆様も体調管理は大変だと思います。
お体を暖かくして風邪などひかないようお過ごしください。